What are little girls made of?

What are little girls made of?

Sugar and spice,

And everything nice,

That's what little girls are made of.



女の子って何でできているの?

女の子って何でできているの?

砂糖やスパイス

素敵なもの

そんなものでできているよ











What is YUU made of?











ケーキにクッキー、チョコレイト

カラフルな包みを手に女たちが待つのは、カラフルなウサギ。

ほら、オレたちが通れば、待ち構えていた野生獣のように、オレンジのウサギを取り囲む。

「ラビ、これ作ったの!!食べてみてぇ〜。」

「へぇ、すごい、キレイさ!!よく作れたさねー。」

「ラビさん!!こっちのも良かったら、食べてください!」

「あ、ありがとさー。おれ、コレ好き!」

オレンジ兎がニコっと微笑みかければ、瞬時に赤い顔。

黄色い声に囲まれたウサギは放っておいて、食堂へと向かう。


「相変わらず、ラビはモッテモテですね〜。」

ヒョイと話しかけられたのは、白い頭。

「あ゛ぁっ!!」

ついソイツを、見ると眉間にシワがよる。

「人を見るなり、ケンカふっかけないで下さいよ。だから、神田はモテないんですよ。」

「ハッ、モテなくて結構だ。余計なことしてる暇があったら、鍛錬でもしとけ。」

ポーカーフェイスが得意なはずの15歳の頬がピクッと引きつる。

神田とアレンが並んで、歩いているのを見て、すれ違うファインダーがギョッとした顔で急いで立ち去る。

教団では、暗黙の了解。この2人は寄ると触るとケンカする。イノセンスで・・・・・。

被害が尋常ではない為、ファインダーたちの防衛手段は一つ。

この2人が一緒にいたら、逃げろ!!

「オイ、ついてくんなよっ!!」

「そっちこそついてこないで下さい!!」

「オレは、食堂に行くんだ!」

「ボクも食堂に行くんですっ!!」

廊下を競歩から、全速力に変わりかけぬける。

タッチの差で食堂に早くたどり着いたのは神田だった。

「バーカ、オレに勝とうなんざ、100年早ェんだよ!!」

捨て台詞を残して神田は、蕎麦を注文しに向かう。

3つ下の新入りに全力で勝負する。大人気ないと突っこむウサギはココにはいない。






















いつも、「ちょっとちょーだい。」と言って、蕎麦をねだるラビの為、

神田はわざとめんつゆにわさびを大量に入れる。

ぐるぐると混ぜたが、ところどころわさびが固形のまま浮いている。

箸袋で、箸たてをつくり、茶を淹れなおしている間に、ざる蕎麦の表面が少し乾燥してきた。

それでも、オレンジ色のウサギが食堂に現れる気配がない。

無意識のうちに、眉間にシワがよったが、少しくっつき気味の蕎麦に箸をのばした。

ズルッ

「コホッ」

わさびにむせ、神田の眉間のシワは更に深くなった。



















リナリーの手伝いにラビと神田は呼ばれ、書庫で資料整理をする。

書庫の場所を把握している量は圧倒的に、ラビが多いからほぼ資料整理はラビに任して、神田は力仕事を担当する。

ミミズののたくったような字の資料に眉をしかめていると、チラチラとオレンジが視界を動く。

顔上げると、本棚の間を忙しそうに行き来するラビの姿があった。

書庫には、3人のほかにも人影があり、何やら皆資料探しに必死だ。

よくこんな分けの分からない書庫で仕事ができるなと感心する。

ファィンダーらしき女が自分より背の高い棚に向かって、精一杯手を伸ばしている。

しかし、あとちょっとのところで届かない。

すると、後ろからヒョイッとお目当ての本が抜き取られ、彼女に渡される。

渡したのは、さっきまで反対側にいたはずのラビだった。

彼女は、頬を染めて、お礼をいっている。

ラビは、慣れているのか笑顔で答え、何やらジェスチャーしている。

「ラビって抜け目ないね。」

不意に声をかけてきたのは、頭の上がらない幼なじみ。

いつの間に自分の横にきたのか、整理するリストを手にラビたちの様子を眺めていた。

「何が?」

「さっきの。間違いなく、あの子ラビのこと好きになるよ。しかも、かわいかったし。」

「あれだけでか?」

あきれたように呟く。

本を取っただけで、好きになっていたら、世の中はカップルだらけだと思う。

「わかってないなー、神田は。ラビってかっこいいでしょ?」

「たれ目だろーが。」

「そこがいいって子も多いんだよ?教団って出会いすくないのに、かっこいい子にやさしくされたら、どうなると思う?」

リナリーの言いたい事が読めてきて、ため息がでる。

ちょっと優しくされたからって、なんだって言うんだ。

「ラビは、優しいって評判なんだよ?さっきみたいに、さりげなく優しくするから、余計にね。」

「オレには関係ない。」

なぜだか、イライラしてきて、早く会話を終わらそうと不機嫌な声で答える。

「神田もちょっとは、真似したら、いいのに。ラビ狙ってる子、結構多いんだよ。」

それは、十分知っている。

「また、相談される件数増えちゃうな。」

さして、困った様子でもなく、リナリーはそう言うと、作業に戻っていった。




































リナリーの手伝いが終わり、2人と別れて、鍛錬場に来る。

一人になって、なぜかホッとしている自分がいた。

しかし、イライラは継続していて、それに任せて、がむしゃらに剣を振る。

(ったく、食堂に行こうって誘ってきたのはアイツなのに、なに女どもに囲まれてヘラヘラしてんだっ!!)

(だいたい、踏み台使えば自分で取れるのに、わざわざ取ってやるんじゃねぇよ。赤ん坊じゃないし、踏み台くらい持ってこれんだろ!)

イライラの原因はほぼラビだった。

イライラはいつのまにか、怒りに変わっており、あまりの鬼迫で鍛錬するものだから、鍛錬場からはおびえたファインダーが退散する。

汗を十分に流したところで、神田は鍛錬を終えた。

「今日は、随分乱れていたな。」

鍛錬場の入り口で、マリにそう声をかけられる。

「何がだ?」

「気合が入っていた割には、気の乱れがすごかった。お前らしくもない。」

冷静に分析され、返す言葉がなくなる。

いつもそうだ。この兄弟子には、正論を言われ、言い返す言葉は見つからない。

神田がだまっているのを見て、マリは何も言わず鍛錬場に入っていった。
















「あ!!シェイラ!!ちょっと聞きたいことがあるんさー。」

聞きなれた声が廊下の反対側から、聞こえる。

呼び止められた栗色の髪の女は、医療班らしき格好をしている。

ラビは何やら、資料を見せ、何やら、シェイラに聞いている。

シェイラは資料を覗き込むようにして、話し、2人でクスクスと笑っている。

・・・・顔、近いだろうがっ!

見たくねぇ。

神田は、柱で視界をふさぎ、遠回りの道を選んで自室に戻った。












『あの子ラビのこと好きになるよ。』
『ラビ狙ってる子、結構多いんだよ。』
『今日は、気が乱れていたな。』

言われた言葉が、グルグルと頭の中で周り、女に囲まれて幸せそうに笑っていたラビの顔が思い浮かぶ。

気分を少しでも、入れ替える為、神田は窓を開けた。

夜風を吸い込み、頭を冷やす。

女の方がいい、ってのは、分かっていたこと。

胸のもあるし、柔らかな肌、細やかな気遣いもある。

それでも、ラビは自分を好きだと言ってくれた。

頭では、男だったら、女の方がいいに決まってるとは、理解している。

だから、ラビが神田を好きっと言ってくれてても、女とも付き合うなとは言う権利はないと思う。

でも・・・、でも、実際ラビが女たちに囲まれているのを見ると、醜い感情があふれてくる。

見たくない。

見たくない。

ラビと女が楽しそうにしているのも。

醜い感情を持ってしまう情けない自分も・・・・。








































次の日から、神田は行動に出た。

見たくないのなら、見なければいい。

ラビとなるべく会わないように、食堂に行き手早く、食事をすませ、鍛錬も森の奥で行った。

ゴーレムからの通信もラビからのは、出ない。

徹底したことで、随分と気が楽になった。

ラビが女にしゃべりかけているのを見ないですむから、イライラすることもない。

何より、醜い感情がでてしまうことがなくて、ホッとしていた。

上機嫌で一日を過ごした。

翌日も、ラビと会わないように早朝に目を覚まし鍛錬場に向かった。

早朝の為、シンとした廊下にカツカツと自分の足音が響く。

「機嫌いいさね。」

急に声をかけられ、ビクッとする。

誰もいないと思っていた廊下には、ラビが壁にもたれて立っていた。

「なんで、昨日避けてたんさ?」

「・・・・・別に避けてねぇし。」

見たくなかっただけだし。

心の中で言い訳するが、ラビが信じた様子もない。

「嘘。避けてた。」

翡翠色の瞳がまっすぐに自分を捉えてる。

普段、優柔不断なくせに、いざとなったら、頑固でゆずらない。

おそらく、今回も言い逃れできないんだろうなと思って、腹をくくる。










ガキッ

六幻が音を立て、ラビの目の横スレスレを通り、壁にめり込む。

「ユッユウ!?」

風圧がもろに頬に感じたのだろう、頬を引きつらせている。

恐怖で咄嗟に体が動かないのか、ラビの体は壁に貼りついたままだ。

「その目・・・・。」

「へ?」

かすれた声でラビが答える。

「その目がオレしか映らなければいい・・・と思ったんだ。」

「・・・ユウ?」

オレの言った意図を理解しかねてラビは問いかける。

「お前が、女に囲まれているのを見て、嫌な気分になった。
 お前が、女に優しくしているのを見て、嫌な気分になった。
 女のほうが好きなのは、分かってるけど、嫌だったんだ。
 何より、自分がこんな醜い感情を持ってることが嫌だった。
 だから・・・・」

「だから?」

「だから、見ないようにした。」

壁に貼り付いていたラビがゆっくりと身を起こし、近づいてくる。

オレの目の前に来ると目線を合わせたままコツンと額を合わせた。

「ユウ。オレ、ユウのこと好きだよ。ユウが思っているよりもずっと。」

翡翠色の瞳に映っているのは、俺だけだ。

そのままラビは言葉を続ける。

「女の子の方が、好きだったんさ。ずっと。女の子にモテんのは、嬉しかったし。」

頭では、理解しているつもりでも、実際聞くのはつらくて、目を伏せる。

「女の子の方が、フワフワしてるしさ。柔らかいし。でも、なんでか、いつのまにかユウを好きになってたんさ。
 あれだけ嬉しかったのに、女の子にモテてもちっとも嬉しくないんさ。
 男の方が好きだとは、言わないけど、女の子よりもずっと・・・・」

次の言葉を聞こうと目をあける。

揺るがない翡翠色の瞳は優しくオレを映していた。

「比べ物にならないくらいずっと・・・ユウが好き。」




















「だいたいさー、ユウは誤解してる。」

神田の部屋に戻ると当然のように、ラビはベットを陣取る。

オレを逃がさないように、徹夜でオレを張っていたらしい。

バカじゃねぇの。

「オレが、女の子に優しくすんのも、モテるようにすんのも、全部わざとなのっ!!」

「・・・・モテたいんだろ。」

「ちーがーうさー。こんな外の社会と交流ないトコでも、女の子って恋する対象作りたがるんさ。」

ラビの言っている意図を理解しかねて、首をかしげる。

「だから、何だ?」

「だから、ほっといたら、女の子は皆ユウに恋しちゃうさ!!」

「はっ?」

「オレがモテるように仕向けて、女の子たちを牽制してるんさ!!」

得意げにニヤッと笑うラビ。

何をどう考えたら、そんな結論にたどりつくのか。

だいたいいくら、外の社会と交流が少ないとはいえ、教団の中は圧倒的に男の数の方が多い。

ラビがモテなくても、自分が女性たちにモテるとは、到底思えなかった。

「お前、バカか?」

「わかってないさー、ユウは。ユウみたいにカッコよくて仕事もできるし、クールなんて、モテる三大要素ガッチリ満たしてるんさよ!?」

「んなわけねぇだろ。だいたいオレがモテたっていいだろうが。」

神田がそう言った途端、たちまちラビは不機嫌になる。

ベットの上のシーツをイライラしたようにいじくりまわし、低い声で呻く。

「・・・・・・全然よくない。」

「全っ然よくないさ!!今でさえ、ユウ狙ってる子多いのに!これ以上ライバル増やしたくないさ!!」

「ライバルって、お前・・・」


あきれて、物も言えない。

あんなみっともなく、女にモテるラビを見て、焼きもちを妬いていた自分が・・・・。

こんなにみっともなくなるほど、ラビを好きな自分が・・・・。

ラビの他の女にモテたって、心が動くとでも、思っているのだろうか?

あきれて、物も言えない。

いや、くやしい・・・・。

「お前、バカじゃねぇの!?いや、バカだよ。正真正銘のバカ!!
 オレがなんであんなみっともねぇ真似したと思うんだ!?
 強くなる事に、集中したいのに、任務の事だけ考えてればよかったのにっ!!
 なのに、なのにみっともなくお前の行動に一喜一憂してっ!!
 なんで、そんな思いしてると思ってんだ!」

はぁっはぁっ

まだ言いたい事は山の様にあるのに、グッと目頭があつくなってきて言葉が続かない。

クソッ情けねぇ。

ラビに絶対、涙を見られたくなくて、背を向ける。



「・・・・ユウ、ごめん。」

言葉と共に、後ろからそっと抱きしめられる。

絶対に涙が落ちないように、歯を食いしばった。

「オレ、自分のことだけ考えてたさ。オレばっかりユウが好きな気持ち優先して、ユウの事考えてなかったさ・・・・。」

ごめんね、といって、そっと抱きしめられた腕にギュウっと力がこもる。

「ユウが他の子好きになるって思ったわけじゃないさ。ただ、ユウの事好きなのは俺だけでいたいんさ。
 独占欲強すぎって、分かってるけど、他の子がユウ好きってだけで、嫌なんさ。
 だから、女の子の目がユウに向かいないように、ガードして、女の子に優しくすんのは、友好関係きずきたいんさ。」

「なんでだ?」

「いざと言うときオレの恋を応援してもらう為!!」

振り返って、ラビを見ると真剣そのものと言った目で見てくる。

「バカだよ。バーカ。俺の気持ち全然分かってねぇじゃねぇか。」

ラビの肩にギュウと顔を埋めるとモヤモヤしていた気持ちがうすれていく。

ラビにポンポンと頭を撫でられるとひどく安心した。

「うん、ごめんね。ごめんね。ユウが嫌な思いしてるって気付かなかったさ。」

「お前、頭良いくせになんでそんなとこ気が回らないんだよ。」

「ごめんね。独占欲強くて、ごめんね。もう女の子にモテようとはしないさ!!だから、ユウも・・・」

言葉の最後のほうは自信なさげに声が小さくなった。

かろうじて、聞き取れた言葉は、「・・・・ユウ、女の子としゃべんないで・・。」という情けない声だった。

自分が不安だったように、コイツも不安だったんだろうか?

そう思うとお互い堂々巡りをしていただけなのか、と思う。

そして、気の毒なのは、巻き込まれた女性たち。

二、三日頭を悩ましていた事が馬鹿らしくなって、フッと笑った。




『ユウ!!何、笑ってるんさ!!オレ本気なんさ!!』




















ユウって何でできているの?

ユウって何でできているの?

砂糖?スパイス?

それとも素敵なもの?






ううん!!オレを夢中にさせるもの全部でできてんの!!



























ルカ様相互記念お礼小説
ラビュで『女の子にモテモテのラビを見て、ヤキモチを妬く神田』
ラビがあんまりモテずに神田さんもツンデレな感じですいません。。
リクエストにあんまそえてないかんじでほんとすいません。
土下座