下ネタ若干注意です!
ラビが教団に来たばっかりの頃・・・・・
なので、まだラビさんがユウさんの事を神田呼びです
ペラッと本をめくるついでに、入り口の方に視線をやる。
お目当てのものが見つからなかったのか、ラビは再び視線を本に戻す。
「あれ?ラビ入らないのか?」
さっきから幾度目かになる問いかけを軽く受け流す。
というのも、ラビが座っているソコは大浴場の脱衣所、本を読むには不釣合いなところである。
全員が裸になるそこで、団服を着込んで、本を広げていれば目立つようで、風呂に入るついでに皆に声をかけられる。
その度に愛想よく、ヘラッと受け流すが、ラビには今日ある目的があってココに来た。
そう、それは、ブックマンとしての記録を残す為―――――
ドアの開く音と共に、新しく脱衣所に入ってきた人物がいる。
その人物は慣れた様に、着替えをロッカーに置き、団服を脱ぐ。
「神田も今からお風呂なんさ?」
読んでいた本を服のポケットへと素早くしまいこみ、白々しく声をかける。
声をかけられた神田はチラッとラビの方を見たが、興味なさ気に視線を元に戻す。
・・・・ほんと、相変わらずの態度さねー。
神田と初めて会ったのは、昨日。ラビが教団についた時に神田は任務中だった為、やっと昨日会えたのだ。
正直、ブックマンの仕事とはいえ、同い年のヤツに会えるのは楽しみだった。
気の合うヤツだったら、いいのになーとかそんな淡い期待を抱いていた。
神田ユウという人間はオレのそんな淡い期待をいい意味でも悪い意味でも裏切った。
一目見た瞬間に、エッ?マジで男??そんな思いが胸をよぎった。
それとともに、惜しい!!という想いも・・・・。
女だったら、絶対口説いてるのにもったいねーさ、そんな事を考えながら、『ハジメマシテ。ラビっす。』と挨拶をした。
お得意の笑顔をつけて。
どーも、とかなんなりと返ってくると思ってたら、いきなり視界に入ってきたのは、背中。
つまり、オレの挨拶の途中で、背を向けたってわけさ。
ブックマンとして、色んな人にあったけど、挨拶の途中で背を向けられたのは、初めてで。
慌てて、追っかけて、挨拶の途中さー!と抗議してみれば、彼から始めてもらった言葉は、
「ヘラヘラしてんな。」
思いっきりドスの効いた声でした。
いきなり、こんな敵意むき出しなんて、ブックマンとして人間関係を上手くやってきたオレにとってはしょっとショックさ。
なんか、悪いことしたんかなーって。
その後、色んな人から、「神田は、いっつもあーだから。」「神田には、関わらない方がいい。」との忠告を受けて。
やっぱ、あんな性格だから敵も多いみたいさ、と苦笑した。
あんなのしないで、愛想振りまいてた方が、絶対楽なのに。
なのに、なんでか、神田に対して、あんまり悪い印象を持てなかった。
そんな事を思い出しているうちに、神田はスタスタと腰にタオルをまいて浴場の方へ歩いて行ってしまう。
慌てて、服を脱いで、まとめてロッカーに投げ込み、後を追った。
ブックマンの記録、というか単に自分の好奇心が強いだけなのだが、
『日本人のアレを見てみたい!!』
アレとは、まぁ男性の自身で、一般に男性の自信に繋がるモノだ。
一般的にアジア人は欧米人に比べて小さいと聞くが、でもその代わり固いらしいが、
この間ジジィに内緒で日本の春画(性行為を芸術的に描いたもの)を見てみたのだが、超デかくてウッカリ自信喪失しそうになった。
鎖国していて、神秘につつまれた日本!!教団に日本人がいると聞いて、是非実際はどうなのかこの目で確かめて見たい!!
しかも、同い年なら、比べやすいし!!
しっかりこの目に焼き付けてやるんさ!!
でも、まぁ神田はなんかちっさそう・・・・というか、あの顔でオレと同じものがぶら下がってるのが信じられない。
むしろ、なければいいのに、なんて思って大浴場に繋がるドアを開けた。
最初は、風呂が共同なんてイヤだなと思ったが、違和感があったのは最初だけで、1回入ると気持ちよくてすぐに順応した。
広いお風呂って気持ちいいさ。
湯気の向こうに、流し場でお湯をかけてる神田が見える。
長い髪をまとめて、一つに結い上げ、遠くからみるとほんとに女性が入浴しているようだ。
昨日は、ダイレクトに一緒にお風呂に入ろうと言って「断る」と一刀両断されたものだから、今日は確認を取らずに横に陣取る。
シャワーをひねって熱いお湯を浴びながら、隣の神田を盗み見る。
腰にはタオルがまだ巻きつけてあり、チェッと口を尖らす。
その時、いつもは団服や髪に隠れている白いうなじが目に入り、思わずゴクリと息を呑んだ。
って、何考えてるんさ!美人でも男は男ー!もったいないさ・・・・。
ふと、頭を洗おうと思って、手を止める。
「神田ー!シャンプー貸して?」
そう言うとチッと舌打ちが返って来たが、きちんと右手が差し出される。
ありがたく、それを受け取って、ってコレ固形石鹸じゃん!!
これで頭を洗えって??何コレ新入りイビリ??
涙目になり、固まっていると「使わないなら、返せ。」と神田にせっつかれる。
そのまま、返すと神田は石鹸を器用に泡立て、髪を洗い始める。
「・・・・神田ー。いっつも石鹸で髪洗ってるさ?」
「・・・・・当たり前だろ。」
「えっ?ギシギシにならないさ?」
神田はそれ以上答える気がないらしく、勢いよくシャワーを浴び始めた。
髪についた泡を一気に洗い流すと、さっさと湯船の方に歩いて行ってしまう。
腰に巻いたタオルはとっているようで、ザブンと湯船につかる。
そのまま目を閉じて気持ちよさそうだ。
・・・・いっつもあんな穏やかな表情だったらいいのに。
そんな事を思いながら、慌ててラビも湯船につかろうとすると、ギラッと神田の目が光る。
「オイっ!!」
「な、なんさっ!?」
足を片方宙に浮かした状態で固まる。
まさか!オレの野望がバレたんかっ!?
「てめぇ、体よく洗ってねぇだろ!!湯船につかる前はしっかり体流してこいっ!!」
取りあえず、バレてないことに一息ついていると、後ろから常識もねぇのか!最近の新人は!という低い呟きが聞こえる。
日本人は温泉の文化があるだけ、さすが色々作法とかうるさいさと思いながら、急いで、体を流した。
マッハで体を洗って、神田の入ってる湯船へと向かう。
早くしないと神田があがってしまう。
隣にチャポンッと浸かって、笑いかけるとそっぽを向かれてしまう。
なんかなつかないネコみたいさー。
目もツリ目で猫っぽいし、黒髪だから、黒猫チックさと思うとなんだか可愛らしく思えてくる。
さてさて、早いところ目的を達成しないと!!
そう思って、湯船のお湯を覗くと・・・・・・・。
「神田、今日なんかお湯濁ってないさ?」
「・・・・・コムイが入浴剤変えたんだろ。」
「え?ええー・・・・。」
ガックリと頭をうなだれる。せっかくのチャンスなのに!
なんで、今日に限って白濁色のお湯に変わってるんさー。おかげで、神田の体が見えやしない。
内心でブツブツ文句をいいながら、これは神田がお湯から上がるときと脱衣所で着替えてる時しかチャンスがない。。
神田がお風呂から上がるのを待つかーと浴場の湯気を深く吸い込んだ。
「神田ー。まだ上がらないんさ?」
湯船に浸かっている間中、ほとんど返答のない世間話をしていたが、いい加減限界だ。
お湯の熱気が下から、上がってきて頭が朦朧とする。
神田をチラッと盗み見れば、涼しげな表情で、上がる気配がちっともない。
うう〜、今日は諦める・・・か?
もう、熱くて一秒も入ってられないと思って、脱衣所で待ち伏せ作戦に変更して、湯船から勢いよく立ち上がる。
と同時に目の前が赤や青の光が覆い、グラッと上体が揺れる。
立ちくらみかと思う間もなく、ツルっと湯船のソコのタイルがすべり盛大な水しぶきをあげて尻餅をついた。
「おい、しっかりしろ!大丈夫か!?」
ペチペチと神田が頬を叩く。
「うっ・・・きぼぢわるい・・・さ。」
頭がクラクラし、胃から吐きそうなムカつきがこみ上げてくる。
最悪の気分で、これがいわゆるのぼせたってヤツなんかなーとぼんやり思う。
風呂の中から、肩を担がれ、神田に引き上げられる。
そのまま、肩を貸してもらって歩かされる。
どうやら、脱衣所まで運んでくれるようだ。
結構、いいトコあるんさーと感心した。
ズルズルッと濡れたタイルに足を滑らせないよう気をつけながら歩く。
その間も、朦朧とした頭で、神田のアレを確認しなきゃとブックマンの血が騒いだ。
早くしないと脱衣所についてしまう!!
焦ったオレは、無意識に神田の股間に手を伸ばしていた。
「このチカン野郎っ!!」
神田の罵声と共に鈍い音。
ラビの朦朧とした意識は完全に途切れた。
神田のアレとラビのを比べてどうだったのかー?
ブックマンJr.の名誉の為ココでは伏せさせていただきたい。
ただ、後日ちょっぴりションボリした顔で、神田の隣で入浴するラビの姿が見れたとか。
ラビとユウの出会ったばっかりのギスギスした関係もわりと好きです。
18歳の男の子ならこういう事も気になるのかなーって思いました(笑)
笑って軽く読んでいただければ幸せです。